臨床心理士試験1次試験対策~テクニック・心構え~
臨床心理士試験に合格した経験をもとに1次試験において個人的に感じたことや考えたことなどをまとめたメモです。受験テクニックなども含みます。特に誰に見せるつもりもなかった文章なので適当です。
〇1次試験全体として
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スーツはやめよう 。
1次試験の服装は自由。スーツを着ないと集中できない人以外はリラックスして集中しやすく脱ぎ着して体温調節できる私服を勧める。私の時は少し暑かった。
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試験中でも挙手によりお手洗いには行ける。
休み時間に済ませておくべきだが、試験中に行きたくなってしまったら仕方ない。時間は犠牲となるが早めに解ける人なら問題ないだろう。早めに解けない人は我慢の限界と相談。
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時間に余裕を持って到着しよう。
電車の乗り間違いや道に迷った場合の焦りが違う。早く着いた場合は試験会場付近をフラフラ歩いたり、昼食を先に買ったり、ちょっと休憩したり、最後の詰め込みをしたりなど各自落ち着けることをする時間にするといいだろう。
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問題用紙を開く前に1呼吸。
これは半ば個人的な儀式のようなものであるが「始め!」の合図で問題用紙を勢いよく開ける人を尻目に余裕を持って1呼吸して開ける。周りの焦り具合を見て自分はこいつらとは違うぞ!という余裕の振舞いをするのだ。行動は気持ちにも反映される。余裕のある振る舞いは実際に余裕を作り出してくれる。(多分ドラゴン桜でやってた。)
〇マークシート
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1つの問題にかけられる時間は1分30秒。
2時間30分で100問を解くので単純計算すると1つの問題にかけられる時間は1分30秒。
しかし、実際には事例問題に時間を多く割く必要がある。そのため、一般問題は30秒~1分程度で解くように練習しておくとよいだろう。
私は1時間余ったが時間が足りなかったという声もよく聞くので模試などを受けて自分の解くスピードは把握しておくとよい。
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満点は不可能。60%を取りに行く試験である。
臨床心理士試験で満点を取った人はいない。また、満点を取る必要もない。
40%は間違えられる猶予があると考えた方がよい。知らない用語や理論、わからない問題は必ずある。一読して歯が立たないと感じた問題は素直に適当にマークして飛ばすことを勧める。明らかに違う選択肢を消しておき、見直しの時間で読解力で解けないか試すのは手である。
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わからない問題であってもマークはする。
後で解こうと思っても必ずどこかにマークしてから進むこと。マークしないことはマークズレの原因となる上に時間切れの際は20%で正解のチャンスをドブに捨てることとなる。
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問題は分野ごとに前から並んでいる。
最初は基礎心理の問題から始まっている。似たような問題が並んでいるため苦手分野の場合、不安になるかもしれないが落ち着いて解ける問題を拾っていこう。
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問題用紙にも選んだ選択肢に〇をつける。
これは癖づけておくことを勧める。臨床心理士試験では問題用紙は回収され持ち帰ることはできないが、マークズレなどに気付いた際や見直し時の時間短縮になる。
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基本的に消去法で選択肢を消していく。
基本的な受験テクニックであるが、合っている選択肢を見つけるより誤った選択肢を見つける方が易しい。その際見直し時にどこを根拠に消去したかわかるように下線や簡単なメモをしておく。
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提唱者と用語などの組み合わせ問題は誤りの選択肢同士で用語が入れ替わっていることが多い。
これは実際に例を見た方が早いだろう。
例.次の人物と用語について正しい組み合わせを選べ。
1. J.B.Watson - 精神分析
2. C.R.Rogers - 行動主義
3. F.S.Perls - ゲシュタルト療法
4. S.Freud - 認知療法
5. A.T.Beck - クライエント中心療法
正答は3だが、他の選択肢を見ると用語が入れ替わっていることがわかるだろう。
答えがわからなくとも消去法で導き出しやすくなっている。
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困ったら断定、強い表現等を消していく。
絶対の基準ではないが困った時は「~しなければならない」、「~してはいけない」、「~することはない」などを消す。
基本的に心理学の選択肢ではあいまいな表現や包括的な表現になることが多いためである(~こともある、可能性が高い、含むこともあるなど)。
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事例などでは基本的にはパーソンセンタード・アプローチ的な考え方。
問題によってはカウンセラーのオリエンテーション(志向)が設定されている場合があるが、特に記載がない場合はパーソンセンタード・アプローチの立場だと思っていい。ロジャースやアクスラインは抑えておく必要がある。
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同じ番号が続いたという理由で選択肢を変えない。
基本的な受験テクニック。同じ番号が続くと不安になるかもしれない。続く番号の内どこか1か所間違えているのかもしれないが、マイナス1点である。合っている問題なのに変えてしまえばマイナス2点となる。案外4連続、5連続などはありうる。
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見直し時は明らかな間違いに気付いたとき以外選択肢を変えない。
確信がなく、なんとなくこっちかもしれない程度であれば最初の直感を信じるべし。
〇論述試験について
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字数制限さえ守れば1次試験はオッケー。
逆に言えば字数制限を守らなかった時点でアウトである。内容はよほど酷くなければ心配はいらないらしい。とにかく字数制限を守って設問に答えること。
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メモで解答を完成させない。
メモ用紙と解答用紙が配られるが、メモで完璧な文章を書こうとすると十中八九時間が足りなくなる。
メモには序論、本論、結論で大体どのようなことを書くか(入れたいキーワードは特に)構成を考える為に用いるといいだろう。細かいところは書きながら調整しよう。ちなみにいきなり解答用紙に書きだすのは自殺行為である。
例.ケースカンファレンスの効用を自身の経験を踏まえて3つ挙げ、そのうち1つについて詳しく論ぜよ。
序論
ケースカンファレンスの効用は大きく分けて、
・施設内の情報共有
・客観的視点からの意見(転移・逆転移など)
・間接的に知識や経験を蓄積が可能
の3つ。
本論
客観的視点からの意見(転移・逆転移など)
こういうことがあって、こういうことで困っていた。
自分はこうだと思っていたが意見によってこういう点に気付けた。
結論
この具体例ではケースカンファレンスを通じてこういった進展を見せた。1人でケースを進めていくとどうしても主観的視点から抜け出せないことがある。こういった効用の為、ケースカンファレンスを利用していくといいだろう。
雑だがこんな感じ。大体の内容が自分でわかればよい。
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解答用紙に文字制限の大体の目印を薄くつけておく(後で消す)。
とにかく文字制限内に収めることが絶対である。不注意で足りなかったorオーバーしたという事態に陥らないように。
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解答用紙に書き始めたら出来るだけ大きく書き直さないこと。
これも受験テクニックであるが、書いてみて「この文章入れ替えたい」、「文章がちょっとおかしい気がする」、「あれ書き忘れた」と思うのはこの手の試験の宿命である。しかし、そこで大きく文章を書き直すと解答用紙は汚れる上に時間を大幅にロスする。
この試験では美しい文章構成である必要はない。大意が通じ、制限に収めればよいのだ。多少美しくなくとも文章の付け足しなどで補完するとよい。また文字制限がギリギリで時間も少なければ尻切れとんぼでも結論はなくても構わない。
以上。思いついたらまた追記するかもしれません。